昭和28〜32年
ペン書便箋各4〜5枚
昭和28年に白井は煥乎堂の建築を手がけた
前橋の書店・煥乎堂は明治初期創業の書店で詩人の高橋元吉が経営を務めた事で知られる。高橋徹はその長男。昭和29年に完成した煥乎堂の前橋本店の設計を白井晟一が依頼されたことでで交友が始まった。徹はその当時三十代前半であった。白井は絵を描く徹を気に入ったようでその手紙は年少の友人を見守るようにひどく優しい。煥乎堂の建築が進んでいたにも関わらず、二人の間にはほとんど建築の話は出てこず本や絵のこと、文房具のこと、哲学的な問題などが主なる話題である。白井はその頃高橋から書道全集の献本を受けていたようで白井が熱中することになる書のことも話題に上っている。